きだ内科クリニック - 城陽市平川山道(久津川駅)
H30年6月、城陽市平川に「きだ内科クリニック」(内科・糖尿病内科)を開院しました。地域に密着し患者様にやさしく信頼され愛されるクリニックを目指しています。一般内科疾患と肥満(メタボリックシンドローム)、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病を対象とした診療所です。ホームドクターとして頑張りますので何でもご相談ください。
登山とトレランblog
首なし地蔵
私の登山の原点は愛宕山で、一番好きな山も愛宕山とそれを取り巻く諸々のspotです。「首なし地蔵」はその中でも私にとって忘れがたい愛宕のlandmarkである。初めて愛宕山にchallangeしたのは10年ほど前の秋で、清滝から表参道を上がり徐々に冷たい雨が降り始め5合目で本ぶりとなり諦めて引き返した。階段上りの厳しさを感じたが、暫くして再度挑戦し登り切った時は何とも言えない感動があった。この時は7合目から積雪で黒門から上は圧雪が凍結して靴が滑る滑る。ストックもアイゼンも持たず運動靴にジーンズ・ジャンパーで初心者らしい信じられない恰好で初登頂したが、それが京都や滋賀の密林登山の幕開けであった。積み上げたものが武器になる。愛宕だけで200回ほど登っているが、表参道から登る事は少なく愛宕神社を中心として殆どのvaliation-rootを地図に線を引きながら踏破した。首なし地蔵がある事を知り、挑戦したのは10回目くらいの愛宕登山で5月であった。朝8時前に清滝駐車場に車を止めて表参道を上がり、愛宕神社手前の桜の満開を見てから、竜ヶ岳にも登頂して、そのまま竜の激下りを芦見谷川まで下行した。想像を絶する急勾配で降りれるのかと冷や汗かきながらなんとか降りて、龍の小屋と首なし地蔵をみて愛宕山に戻る予定でした。ところがタブレットもGPSも知らない頃で、首なし地蔵がどうしても見つかりません。何度も山の中を行ったり来たりを繰り返して、このままでは帰れなくなるかもしれないと感じて極度の不安が押し寄せます。時刻も17時過ぎ、まずいなと感じたその時に、地蔵の右斜面の山の上から下を見ると木々の間から赤いヤッケと黒いズボンを着た女性が話しているのが聞こえます。見るからにベテランそうで、その女性に聞けば帰路を教えてくれるだろうと急いで降りていくと、そこには誰もおらず正に首なし地蔵があったのです。この時の感動は生涯忘れる事は無く私の山の守り神の様に思っています。この後は踏み跡をたどって愛宕山頂目指してトラバ-スを経て何とか愛宕神社に戻り表参道を通って下山できました。両足の限界を超え、駐車場には満身創痍で足を引きづって戻りましたが、19時半過ぎていて駐車場のおばちゃんが遭難と感じて警察に連絡しようと考えていたと言われた。登山歴でも最もボロボロになった思い出ですが、今は肉体は鍛え上げて別物となっています。これからも、折に触れて壮大な忘れられない山のお話をしましょう。
愛宕谷の神の鳥、あっちゃん
愛宕谷川源流近くの湖のアッチャンと名付けた不思議なアヒルのお話。亀岡の明智越えルートを超えて神明峠から愛宕谷川に降りて戻る累積標高515m、9.5km、私の足で3時間の登山コースがあります。ハードな登りを超えると牛松山を向かえに見る尾根筋で、雰囲気抜群で登山のいろんな要素の詰まったコースである。愛宕谷源流近くに二つの湖があり、アッチャンと名付けた可愛いアヒルが1匹いる。2020年10月は親子5羽ずつ、計10羽のアヒル家族がいたが、2年の間に徐々に数が減り2022年春には3羽、夏には2羽に減り9月にはとうとう1羽になった。彼らの休憩場所の羽が散らばった状況からイタチやハクビシンなど獣に喰われていったと感じた。最後に残った一羽は、真っ赤なジャケットの私のことを覚えている様で湖に着くとガアガア話しながら湖周を泳いで後追いしてくる。この時は、なぜか一生懸命話しかけてくるのが感じられ目を見てると、お腹が空いてるのが解ったのでリュックからバターケーキを出していると、陸に上がって目の前まできて食べてくれた
愛宕谷のアヒルでいつしか「アッチャン」と名付けた。この子に合うのが明智越え登山の楽しみとなったが、獣以外にも夏のゲリラ豪雨や台風、真冬の極寒や大雪など様々な脅威にさらされている。流石に2023年2月の大寒波の時は9割がた死んだかなと見に行ったら積雪30センチ、湖面はガチガチに凍結していたにも拘わらず奥の湧き水のでるところでひっそりと生きてくれてた。その後も四季折々にアッチャンを見てきたが、2025年2月も大雪のあと見に行くと見当たらず、大声で何度も呼ぶと杉の木の枝が湖面に垂れ下がって傘になってる所の下から泳いで出てきてくれたが、ガアガア少し話して傘の下に戻った。寒気が長く続いてたので弱ってるのかと感じた。
それでも、6月に元気にしてるか見に行くと、広々した下の湖の端に白い米粒位に見えたので大声で「アッチャン」と叫ぶと一目散に泳いできてくれ陸に上がると、ちぎったスティックパンを喜んで食べてくれた。食べた後ですぐ目の前に来て何度もガアガアお話しながら、お辞儀してくれて抱きしめてやりたくなった。
長年、見ていると浮草やオタマジャクシ、カエル、小魚を食べているようだがエサも大してなく、厳しい自然環境の中を生きる術を心得ているアッチャンは、非常に賢く素晴らしい適応能力を持ったからただ一羽生き残れたのだろう。山奥の湖に浮かぶ純白のアッチャンは、まさに「神の鳥」と感じている。これからも長く生きてほしい。