登山とトレランblog

首なし地蔵

私の登山の原点は愛宕山で、一番好きな山も愛宕山とそれを取り巻く諸々のspotです。「首なし地蔵」はその中でも私にとって忘れがたい愛宕のlandmarkである。初めて愛宕山にchallangeしたのは10年ほど前の秋で、清滝から表参道を上がり徐々に冷たい雨が降り始め5合目で本ぶりとなり諦めて引き返した。階段上りの厳しさを感じたが、暫くして再度挑戦し登り切った時は何とも言えない感動があった。この時は7合目から積雪で黒門から上は圧雪が凍結して靴が滑る滑る。ストックもアイゼンも持たず運動靴にジーンズ・ジャンパーで初心者らしい信じられない恰好で初登頂したが、それが京都や滋賀の密林登山の幕開けであった。積み上げたものが武器になる。愛宕だけで200回ほど登っているが、表参道から登る事は少なく愛宕神社を中心として殆どのvaliation-rootを地図に線を引きながら踏破した。首なし地蔵がある事を知り、挑戦したのは10回目くらいの愛宕登山で5月であった。朝8時前に清滝駐車場に車を止めて表参道を上がり、愛宕神社手前の桜の満開を見てから、竜ヶ岳にも登頂して、そのまま竜の激下りを芦見谷川まで下行した。想像を絶する急勾配で降りれるのかと冷や汗かきながらなんとか降りて、龍の小屋と首なし地蔵をみて愛宕山に戻る予定でした。ところがタブレットもGPSも知らない頃で、首なし地蔵がどうしても見つかりません。何度も山の中を行ったり来たりを繰り返して、このままでは帰れなくなるかもしれないと感じて極度の不安が押し寄せます。時刻も17時過ぎ、まずいなと感じたその時に、地蔵の右斜面の山の上から下を見ると木々の間から赤いヤッケと黒いズボンを着た女性が話しているのが聞こえます。見るからにベテランそうで、その女性に聞けば帰路を教えてくれるだろうと急いで降りていくと、そこには誰もおらず正に首なし地蔵があったのです。この時の感動は生涯忘れる事は無く私の山の守り神の様に思っています。この後は踏み跡をたどって愛宕山頂目指してトラバ-スを経て何とか愛宕神社に戻り表参道を通って下山できました。両足の限界を超え、駐車場には満身創痍で足を引きづって戻りましたが、19時半過ぎていて駐車場のおばちゃんが遭難と感じて警察に連絡しようと考えていたと言われた。登山歴でも最もボロボロになった思い出ですが、今は肉体は鍛え上げて別物となっています。これからも、折に触れて壮大な忘れられない山のお話をしましょう。